この記事では以前中国南方航空に乗って大阪からバンコクに向かった際の記録や乗り方をご紹介します。中国南方航空を調べると、座席が薄い、食事がまずいなどといった評価がみられます。実際はどうなのでしょうか?ぜひ最後までご覧ください。
中国南方航空について
中国南方航空の概要
中国南方航空は、中国広州を拠点とする中国最大の航空会社です。中国国内の広範なネットワークに加え、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアなど国際線も多数運航しています。スカイチームに加盟していましたが、2019年末に脱退。機材数、路線網、旅客輸送実績で中国トップを誇り、手頃な運賃と充実した機内サービスが特徴です。

中国南方航空はコスパが最強!
中国南方航空は運賃が非常に安いですが、LCC(格安航空会社)には分類されていません。ターミナルもそこまで遠くはなく、機内食やドリンクなどのサービスもあります。日本航空(JAL)とのコードシェアを行っていることからもその確実性がわかります。運賃はLCCよりも安い場合が多いのにもかかわらず、LCCだと追加料金を取るような機内食やドリンクが、無料でついてくるのです。コスパ最強の航空会社です。
今回の搭乗では大阪からバンコクまで往復30000円でした。広州を経由するので実際には国際線航空券4枚で30000円ということです。ちなみにこの運賃についてもほとんどが燃油サーチャージで、基本運賃は往復で4000円くらいのようです。
中国南方航空はなぜ安いのか
中国南方航空の運賃が安い理由は何なのでしょうか。一説によると、中国の航空会社はシェア拡大のために中国政府からの補助金や税制上の優遇を受けていると言われています。また、中国のビジネス手法としてまずシェア拡大を図るという点もこの安さにつながっていると考えられます。
さらに、日本とは異なったルートで原油を輸入しており、ロシアから直接輸入した燃料を自国で航空機燃料に変える中国においては、航空機の燃料費が安いという点も挙げられます。

飛行機の搭乗まで
航空券の予約
中国南方航空ではウェブサイト上からオンラインで航空券の予約ができます。中華系の航空会社でありながら、予約サイトは日本語にも対応している点が便利です(やや翻訳が怪しいところはあります)。パスポート番号など必要情報を入力し、クレジットカード等で決済が完了すると、登録メールに予約の控えが届きます。クレジットカードの支払いがうまくできない場合がありますが、何度か試すと決済が完了できました。
スカイスキャナーなど外部の予約サイトでも予約できますが、中国南方航空の場合はこの後の座席指定などの手続きを考慮すると公式サイトでの予約の方が便利ではないかと思います。値段も基本的にはほとんど変わりません。
座席指定
中国南方航空では航空券を予約したあと、座席を指定することができます。前方の席やプレミアムクラスなどは追加料金が必要ですが、ほとんどの席は無料で指定することができます。早めに予約すればかなり自由に座席を選ぶことができるので、グループでの旅行などの際は座席指定を行うことをお勧めします。私は景色を眺めるのが好きなので窓側の席を予約しました。なお、座席指定を行っていなくても、座席は確保されているのでご安心ください。座席指定は中国南方航空の会員登録をすれば、公式サイト上で行うことができます。
機内食予約
中国南方航空では機内食を予約することができます。減塩の食事やキッズメニュー、スペシャルメニューなど、特別な機内食を注文する方は搭乗の48時間前までに公式サイト上で予約しましょう。機内食については予約していなくても一人一食配布されますのでご安心ください。私が搭乗した際も機内食は予約していませんでしたが、無事機内食をいただくことができました。
荷物について
基本の運賃で受託手荷物が23kg×2つまで、持ち込み手荷物は8kg×1つまで持ち込むことができます。荷物の枠もかなり余裕がありますね。
当日チェックイン
普段Peach Aviationをよく利用するので自動チェックイン機に慣れているのですが、中国南方航空は全員、カウンターでチェックインをする必要があります(一部の中国国内路線はオンラインチェックインが可能らしいです)。チェックインカウンターは関西空港では一番端にありました。窓口の人が少ないためか、チェックインにはすごく時間がかかるので、早めに到着しておくか、列が短くなってから列に入ることがおすすめです。チェックインではパスポートを提示し、航空チケットを発券してもらいます。チェックインのタイミングで受託手荷物の預け入れも行います。

保安検査・出国審査
他の航空会社を使用する際と同様の保安検査、出国審査を行います。
手荷物の検査や金属探知機を用いたボディチェック、パスポートの顔認証などを行い、制限区域へ入場します。
搭乗から飛行、着陸
搭乗ゲート
関西空港での搭乗口は保安検査出口の目の前でした。
搭乗口では航空券とパスポートを提示し、間違いがないか確認されます。そのままボーディングブリッジをわたり、航空機に搭乗します。キャビンアテンダントによるご挨拶を通り過ぎ、指定された座席に着席します。
機内の様子
使用機材は確かボーイング737-800だったと思います。帰りの広州→大阪だけB777の大型機が使用されていました(JALとの共同運航便)。機内の座席は非常に薄いなあという印象です。東海道新幹線のN700S普通席くらいの薄さをイメージしていただくと良いでしょう。とはいえそこまで座り心地が悪いわけでもないのでご安心ください。座席にはテーブルとリクライニングが備え付けられていました。
機内ではキャビンアテンダントがブランケットを配布してくれていました。

出発〜離陸
航空機が出発します。救命胴衣の説明やシートベルトの着用の説明などお決まりの説明があります。ただし説明は中国語と英語だけなので注意しましょう。これは日本航空(JAL)とのコードシェア便でも一緒でした。まあ実演してくれる上にどこの航空会社でも同じ内容を話しているので何回も飛行機に乗っている人はそこまで困ることはないでしょう。
離陸時も他の航空会社と大きく異なることはないですが、滑走路での加速時にやや横揺れが激しい印象がありました。気象条件などにも左右されると思いますが、あとで調べたところ中華系航空会社は上手なパイロットを軍から引き抜くことが難しいためやや操縦のレベルが低いという情報がありました。真偽は不明です。
機内サービス
飲み物とお菓子
離陸が完了してベルト着用サインが消えたら、次は飲み物とお菓子のサービスがありました。飲み物はりんごジュース、オレンジジュース、コーヒー、紅茶、水、コーラ、ジンジャーエールといったソフトドリンクに加えて、白ワインやビールなどのアルコール飲料もありました。お菓子はナッツのパックをもらいました。

機内食
その後しばらくすると機内食を配布しにきます。事前に特別な機内食を予約していた人には先に配布され、その後予約していない人に配るという順序らしいです。普通の機内食にも2種類あり、キャビンアテンダントが説明してくれるので、好きな方を選びます。ちなみに機内食の説明も中国語か英語(やや中国語訛りを感じる)だけなので注意しましょう。大学で中国語をやっているので調子に乗ってドリンクの注文で可乐(コーラ)と言ったばかりに、その後怒涛の勢いで中国語を話されたので、Sorry, English pleaseというハメになってしまいました。
私は今回、乗り継ぎ込みで計4便に登場しました。その際のメニューは以下の通りです。
1便目(大阪関西→広州白雲)8:40発
ハンバーグと目玉焼き、寿司、きんぴらごぼう、ハーゲンダッツ

2便目(広州白雲→バンコクスワンナプーム)20:00発
あんかけスパゲッティ、葱パン、ヨーグルト、バナナ、いちごジャム

3便目(バンコクスワンナプーム→広州白雲)3:00発
ライスヌードルとチキン、クロワッサン、バター、ヨーグルト、フルーツ

4便目(広州白雲→大阪関西)8:40発
青椒肉絲みたいなやつと白米、パン、バター、ローストビーフ、春雨、フルーツ

機内食がまずいという噂を聞いていましたが、普通に美味しかったです。特に1便目でハーゲンダッツが登場した時は驚きました。食事の温度についても、裏でしっかりと温められているようで、ほかほかの状態で食べることができました。また出発地の文化をやや踏襲しているらしいという点と、4回の搭乗で食事が一度も被らなかったことも評価ポイントです。(1便目のしんこう巻きの隣にたくあんが添えられているなど、ちょっとしたツッコミポイントはありますが、気にしない。)
2回目の飲み物
食事が食べ終わるくらいのタイミングで2回目の飲み物の配布が行われます。この際はコーヒーをいただきましたが、信じられないくらい苦いコーヒーでした。ぜひ試してみてください。
片付け〜飛行・乗客の様子
全ての席に飲み物を配り終えたあと、食器を回収しにきました。ゴミをまとめたりして綺麗に返すと喜んでくれます。
食事が一通り終わったら、照明が落とされて休憩モードになります。私が乗った便は乱気流の中を通ったらしく、ずっとベルト着用サインがついていました。それにもかかわらず立席して当然のようにトイレにいくお客さんがいたり、キャビンアテンダントが歩き回っていたりと、旅客の安全確保の点ではやや不安な点がありました。こういった乗客マナーが評判の悪い理由となっている可能性があります。
乱気流の中を通りますというアナウンスなども当然ながら日本語は使用されないので、訛りのある英語を頑張って聞き取ります。
着陸
着陸が近づくとキャビンアテンダントが巡回し、リクライニングを元に戻したり、テーブルを片付けたりするように言われます。そして着陸をします。
到着
到着をしたら出国をする人は出国ゲートへ、乗り継ぎの人は乗り継ぎゲートへと移動します。ちなみに、私は乗り継ぎのチケットでしたが、中国南方航空は便ごとにチケットを発券してくれるということもあり、トランジットの時間で出国することができました。中国南方航空は一定時間以上のトランジットであれば乗り継ぎ空港付近のホテルに無料で宿泊させてくれるサービスもやっているようです。私は今回はそのサービスは利用しませんでした。
いかがでしたでしょうか。ぜひみなさんもコスパ最強の中国南方航空の利用を検討してみてください。