みなさんは「稚内」という地名を聞いたことがありますか?
日本の最北端に位置する稚内は、雄大な自然と独特の文化が魅力の観光地です。最北端の碑が立つ宗谷岬、利尻・礼文の島々を望むノシャップ岬、そして新鮮な海の幸など、見どころ満載です。なお正確に言うと日本の最北端は北方領土の択捉島に位置する蘂取(しべとろ)村ですが、現在はロシアにより実効支配されており、訪問は難しいです。
この記事では、日本縦断旅行の出発点として稚内を訪れた現役東大生ライターが、稚内観光の魅力を余すことなくお伝えするため、おすすめスポット10選と実際に旅した際のプランをご紹介します。
1. 稚内観光の魅力
稚内観光の魅力は、なんといってもその雄大な自然と最北端というロケーションです。
- 最北端の絶景: 宗谷岬から望む景色は、まさに絶景の一言。晴れた日には、遠くサハリンの島影を望むこともできます。
- 豊かな自然: 宗谷丘陵やノシャップ岬など、手つかずの自然が残されており、四季折々の美しい景色を楽しめます。
- 新鮮な海の幸: 稚内は、カニやウニなど、新鮮な海の幸の宝庫。市内の飲食店では、これらの海の幸をふんだんに使った料理を味わえます。とても美味しい上に都心部で食べるよりもコスパが良いです。
- 独特の文化: 稚内は、ロシアとの交易の歴史があり、独特の文化が育まれています。稚内市北方記念館・開基百年記念塔などでは、その歴史に触れることができます。

2. 稚内観光おすすめスポット10選
- 宗谷岬: 日本最北端の地。最北端の碑は、記念撮影スポットとして人気です。
- ノシャップ岬: 利尻・礼文の島々を望む絶景スポット。夕日も美しいです。
- 宗谷丘陵: 氷河期の地形が残る、雄大な丘陵地帯。
- 稚内港北防波堤ドーム: 独特の形状をした防波堤。国の重要文化財に指定されています。
- 稚内市北方記念館・開基百年記念塔: 稚内の歴史と文化を学べる施設。
- 稚内駅: 日本最北端の駅。駅舎内には、観光案内所やお土産店があります。
- 道の駅わっかない: 日本最北端の道の駅。お土産やグルメを楽しめます。
- 稚内公園: 稚内市街を一望できる公園。
- 稚内灯台: ノシャップ岬に立つ、歴史ある灯台。
- 稚内副港市場: 地元の海産物やお土産を扱う市場。

3. 〜最長片道切符の旅1日目〜 旅の記録in稚内
前日に札幌駅から高速バスに乗車(北都交通 0111便)
大通バスセンター23:00発、稚内駅前ターミナル05:25着【片道6030円】
以前稚内を訪れた際に宗谷岬で宿泊し、観光もしたので今回は朝の数時間だけ駅周辺を散策しました。先に紹介した観光スポットの中から駅に近いものを選び観光することにしました。なお宗谷岬周辺と稚内駅はかなり離れており、バスで1時間近くかかるので、みなさんが訪れる際はスケジュールに注意しましょう。
05:20 稚内駅前ターミナル到着
真夏にもかかわらず、到着時の気温は21.2℃。半袖だと少し肌寒いくらいの気温です。北海道は日本の中でも東の方にあり、日の出の時間がとても早いです。朝5時半頃にもかかわらず周囲は昼間のような明るさです。

05:30 徒歩
これくらい涼しい日は歩き回るとちょうど良い気分になります。
05:40 稚内港北防波堤ドーム
稚内市のシンボルとも言うべきこのドーム。稚内はかつて樺太に向かう船の玄関口でした。この重要な港湾施設を冬季の高波から守るため、またかつてこの桟橋の手前まで伸びていた宗谷本線の仮乗降場「稚内桟橋駅」へ乗り換えるための通路としても使用されました。現在も防波堤としての役割を果たしているそうです。稚内は強風の日が年間約130日もあるそうですね。とても巨大な構造物で圧巻です。(ちなみに心霊スポットとしても有名だそうです。)
ドームの手前にはかつて鉄道連絡船が走っていた頃の宗谷丸にあった号鐘の模造がおいてありましたので鳴らしました。

06:10 徒歩
06:20 セイコーマート稚内駅店でカツゲンとうどんを買う
北海道においては他のいかなるコンビニチェーンもセイコーマートには勝つことができません。なんと最果ての地稚内にもセイコーマートが存在します。北海道に行かれる際はぜひセイコーマートに行ってみてください。他ではみられない商品にであうことができます。
この日は北海道限定の飲み物「ソフトカツゲン(135円)」とセイコーマートPB品の「国産昆布だしうどん(146円)」を購入。

06:36 特急サロベツ旭川行を見送り、駅のベンチで朝ごはん
この日の特急サロベツ号はピンク色のはまなす編成でした。この特急に乗っても良いのですが、次の目的地豊富駅に着くのがあまりにも早すぎる上、特急料金をケチるためにこの次の普通列車に乗ることにします。
はまなす編成を眺めながら、先ほど買ったソフトカツゲンと国産昆布だしうどんを食べます。本来であれば絶品のうにやいくらを食べるのが最高なのですが、6時台に空いている店はないのでこれで十分です。カツゲンはヤクルトっぽい飲み物の味で美味しいです。カツゲンは元々昭和初期に帝国陸軍が給水状態の劣悪な中国中央部に駐屯している軍人向けの栄養飲料として、北海道から原液を送り、上海で製造されていたらしいです。「勝つ源」といった語呂合わせでスポーツチームや受験生に人気だそう。
昆布だしうどんもなかなかに美味しかったです。
07:00 駅のベンチでテレワーク
旅行でどんどん使っているとお金が足りなくなってしまうので、テレワークでアルバイトをしながら旅行をします。パソコンが案外重く、その後の足の疲労の原因になっているように思いますが、気にしない。いつもと違う環境で仕事をすると案外捗るものです。電車が来るまでは人もまばらなのでよく集中できます。
08:30 徒歩・野生のシカに遭遇
仕事を中断し、歩いて稚内公園を目指します。歩いている途中には鹿の大群が平然と幹線道路を横切ります。私は奈良県出身なので鹿は見慣れているのですが、北海道のエゾシカはツノがついており、かなり大きく感じます。小走りで通り抜けます。
09:00 稚内公園と樺太島民慰霊碑など
しばらく坂道を登って稚内公園につきました。この公園からは稚内市街が一望できます。
この公園には様々な石碑があります。その一つが「氷雪の門」です。かつて日本領だった樺太で亡くなった全ての日本人を慰霊するための塔で、1963年に建立されました。
九人の乙女の像は樺太真岡へのソ連軍の侵攻に際して電信局で残留した女性9人が青酸カリ等で自決したことをふまえ、英霊として顕彰しようと作られた像です。
他にも教學の碑などの樺太を思う碑文や、日本が南極観測に参加するにあたって稚内公園で樺太犬が犬ぞりの訓練をしたことをたたえる南極観測樺太犬訓練記念碑などがありました。

09:45 徒歩
10:15 稚内駅到着
電車の時間がギリギリになってしまったので焦りましたがなんとか下りは楽だったので間に合いました。
10:20 改札
いよいよ私の73700円の「最長片道切符」に最初のハンコが押される瞬間です。
稚内駅の駅員さんは「ちょっと待ってくださいね」と5ページにわたる私の切符を確認し、なんとか改札をクリアしました。
10:29 普通列車名寄行きに乗り、豊富駅へ向かう
国鉄型の「キハ54形気動車」に乗り広大な道北の大地を駆け抜けていきます。

4. 稚内観光のベストシーズン
稚内観光のベストシーズンは、気温が温暖で過ごしやすい夏季(6月~8月)です。ただし、夏季は観光客が多いため、宿泊施設の予約はお早めに。
5. 稚内観光の注意点
- 天候: 稚内は、天候が変わりやすいので、雨具や防寒具を忘れずに。
- 交通手段: 稚内市内の移動は、レンタカーが便利ですが、駅周辺の観光地は徒歩でも訪れることが可能です。稚内までは札幌や旭川からJRの特急列車が走っている他、札幌などから長距離バスも走っています。北海道外から訪れるのであれば新千歳空港や東京から稚内空港までの直行便があるので、空路を使うのが便利でしょう。空港からは連絡バスで市内まで向かうことができます。
- 宿泊施設: 稚内市内の宿泊施設は、数に限りがあるので、早めの予約をこころがけましょう。宗谷岬周辺で宿泊すると、貴重な夜のライトアップされた宗谷岬をみることができるのでおすすめです。
6. まとめ
稚内は、最北端の絶景、豊かな自然、新鮮な海の幸など、魅力あふれる観光地です。この記事を参考に、稚内観光を計画してみてはいかがでしょうか。ぜひみなさんも稚内を訪れてみてください!