「オホーツク海に一番近い駅」として知られるJR釧網本線の北浜駅。目の前に広がる雄大なオホーツク海の絶景、冬には流氷が押し寄せる幻想的な風景、そして昭和の面影を残すノスタルジックな駅舎は、多くの人々を魅了し続けています。
この記事では、実際に日本縦断中に北浜駅を訪れた現役東大生ライターが、北浜駅の歴史や見どころ、周辺の観光スポット、アクセス方法などを徹底的に解説し、あなたの旅をより深く、忘れられないものにするための情報を提供します。実際に訪れた際の様子もご紹介します。
1. 北浜駅(北海道)とは?
北浜駅は、北海道網走市にあるJR釧網本線の無人駅です。1924年に開業し、以来、地域の足として、また観光スポットとして親しまれてきました。
- 「オホーツク海に一番近い駅」:ホームの目の前にはオホーツク海が広がり、その距離わずか20メートル。遮るもののない雄大な景色は、訪れる人々を圧倒します。秘境駅としても知られています。
- 冬には流氷が接岸:1月下旬から3月にかけては、流氷が接岸し、駅周辺は真っ白な氷の世界へと姿を変えます。
- ノスタルジックな駅舎:木造の小さな駅舎は、昭和の雰囲気を色濃く残し、旅情を掻き立てます。駅舎内には、旅人たちのメッセージが書き込まれた名刺や切符が所狭しと貼られています。
- 駅舎内にある喫茶店「停車場」: 駅舎内には喫茶店が併設されており、軽食や飲み物を楽しむことができます。窓際の席からはオホーツク海の絶景を眺めることができ、旅の疲れを癒すのに最適です。

2. 北浜駅の歴史
北浜駅は、1924年(大正13年)11月15日に国有鉄道釧網本線の駅として開業しました。開業当初は、地域の農産物や海産物の輸送拠点として重要な役割を果たしていました。
戦後は、鉄道利用者の減少とともに、その役割も変化していきましたが、1980年代以降、その美しい景観が注目されるようになり、観光客が訪れるようになりました。
特に、1982年に公開された映画「駅 STATION」のロケ地となったことで、全国的にその名が知られるようになり、現在では年間を通して多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

3. 北浜駅の見どころ
- オホーツク海の絶景:ホームに降り立った瞬間、目の前に広がる雄大なオホーツク海の景色は圧巻です。青い海と空、そして水平線が織りなす風景は、時間を忘れさせてくれます。
- 流氷:冬になると、駅周辺は流氷に覆われ、幻想的な風景が広がります。流氷の上を歩いたり、流氷鳴きと呼ばれる氷のきしむ音を聞いたり、貴重な体験ができます。
- 展望台:駅のすぐ隣には展望台があり、そこからはオホーツク海と知床連山の絶景を一望できます。特に夕日の時間帯は、息をのむ美しさです。
- 駅舎と「停車場」:昭和の面影を残す駅舎と、駅舎内にある喫茶店「停車場」は、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。旅の思い出に、ぜひ立ち寄ってみてください。
- 駅ノート:駅舎内には、訪れた人が自由にメッセージを書き込める「駅ノート」が設置されています。旅の思い出や感想を書き込んで、他の旅人と交流するのもおすすめです。
4. 北浜駅周辺の観光スポット
- 濤沸湖(とうふつこ):ラムサール条約登録湿地に指定されている湖で、多くの水鳥が生息しています。特に冬には、オオハクチョウやオジロワシなどの貴重な野鳥を観察できます。
- 原生花園:濤沸湖畔に広がる広大な原生花園です。春から秋にかけて、様々な花が咲き乱れ、美しい景色を楽しめます。
- 網走監獄:明治時代に建てられた監獄で、当時の様子を今に伝えています。歴史を感じさせる建物や展示物は、見ごたえがあります。
- オホーツク流氷科学センター:流氷について学べる施設です。流氷のメカニズムや生態系について、映像や展示を通して詳しく解説しています。
5. 北浜駅へのアクセス
- 鉄道:JR釧網本線「北浜駅」下車。
- 網走駅から約25分
- 釧路駅から約3時間
- バス:網走市内から路線バスが運行しています。
- 車:網走市内から国道244号線を経由して約20分。
6. 〜最長片道切符の旅4日目〜 旅の記録in北海道北浜駅
10:26に網走駅の隣、桂台駅から釧網本線普通列車「しれとこ摩周号」にのり釧路方面へ向かいます。
10:40 北浜駅到着
桂台駅から3駅で北浜駅に到着しました。この駅で途中下車をします。
なんとこの北浜駅、次の列車は5時間後までありません。
駅の中には展望台があるので、乗ってきた列車を展望台から見送ります。圧巻の大地の中、一両編成の列車がゆっくりと進んで行きます。

10:50 大量の名刺
北浜駅の待合室には訪問者がはっていったと思われる大量の名刺が、ところ狭しと飾られています。国鉄時代からの風習となっているようです。脚立持参で天井に貼ったのでしょうか?のりやテープは常備されていないので自分で持っていきましょう。
11:00 喫茶「停車場」がオープン
北浜駅に訪れた人にとっての憧れでもある喫茶停車場。11時から14時までの営業なので、列車で来るのはなかなか大変です。
店内には国鉄時代に使っていた閉塞用のタブレットや信号灯など様々なものが展示されています。お店の座席も国鉄車両のシートで、扇風機にもJNR(日本国有鉄道)の文字があります。
私はここで名物の「停車場ランチ(1000円)」をいただきました。ハンバーグと目玉焼きのセットです。素朴な味でとても美味しかったです。食後にコーヒーまでいただきました。食べてる途中、網走方面に向かう列車がやってきました。オホーツク海と列車を見ながら食事をするのはなんとも素晴らしいです。


12:00 駅ノート
北浜駅には駅ノートが設置されています。私も記入しておきました。
途中観光バスで海外の方々が集団で北浜駅を訪れて来られました。海外でも人気のある駅のようです。
他にも時折、車で駅の写真を取りにくる方を何人か見かけました。また地元の方と思われる人が駅前の花壇に水をやりにきたりもしました。みんなで駅を守っている感じが素敵ですよね!
12:30 徒歩で出発
ここで次の列車を3時間待つわけにはいきませんので、この日はお隣の臨時駅「原生花園駅」まで1時間ほど歩くことにしました。
13:00 濤沸湖水鳥・湿地センター
歩いている途中、気になる看板を見つけたので歩いて行くと、濤沸湖水鳥・野鳥センターという比較的新しそうな建物がありました。中に入ってみます。来場者は自分一人だけでした。北浜駅から原生花園駅の方面までは広い湖があります。釧網本線の線路は海と湖の間の部分を走ります。元々海だった場所ですが、ほとんどを砂で塞がれ、今は汽水湖になっています。この湖には多くの野鳥が飛来するそうで、この日も湿地センターからは多くの野鳥をみることができました。センターではガイドの方々が野鳥についていろいろ説明してくれます。入館料無料とは思えない素晴らしい施設でした。椅子があったのでしばらく休憩しました。北浜駅からそれほど遠くないので、次に訪れた際にも行ってみようと思います。

13:40 再度出発
気を取り直して、原生花園駅まで向かいます。
7. 北浜駅を訪れる際の注意点
- 冬の防寒対策:冬は気温が氷点下になるため、防寒対策をしっかりと行ってください。厚手のコート、手袋、マフラー、帽子などは必須です。
- 流氷の見頃:流氷の見頃は1月下旬から3月にかけてですが、年によって変動します。事前に流氷情報を確認しておくと良いでしょう。
- 交通手段:北浜駅周辺は公共交通機関が限られています。鉄道を利用する際は時刻表をよく確認しましょう。レンタカーやタクシーを利用するのがおすすめです。
8. まとめ
北浜駅は、オホーツク海の絶景、冬の流氷、ノスタルジックな駅舎など、魅力あふれる観光スポットです。ぜひ一度、北浜駅を訪れて、その美しい景色と独特の雰囲気を体験してみてください。