日本最北の地、北海道の豊富町にある「豊富温泉」は、アトピー性皮膚炎への効果が期待できる温泉として、全国的に知られています。石油成分を含む珍しい泉質と、豊かな自然に囲まれた静かな環境は、心身ともに癒しを求める人々を魅了しています。
この記事では、豊富温泉の泉質や効能、実際の湯治体験、周辺の観光スポットまで、豊富温泉の魅力を、日本縦断中に実際に豊富温泉に訪れた東大生ライターが余すことなくご紹介します。
豊富温泉とは?
豊富温泉は、北海道天塩郡豊富町にある温泉で、その歴史は1928年に石油試掘中に湧出したことに始まります。豊富温泉の特徴は、以下の3点です。
- 珍しい泉質: 石油成分を含む含ヨードナトリウム・カルシウム塩化物泉
- アトピー性皮膚炎への効果: 湯治目的で訪れる人が多い
- 豊かな自然: 周辺にはサロベツ原野などの雄大な自然が広がる

豊富温泉の泉質と効能
豊富温泉の泉質は、含ヨードナトリウム・カルシウム塩化物泉で、以下のような成分が含まれています。
- ヨウ素
- ナトリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- 鉄分
- 石油成分
これらの成分が、アトピー性皮膚炎や切り傷、慢性皮膚病などに効果があるとされています。特に、石油成分は、肌の保湿効果を高め、炎症を抑える働きがあると考えられています。
豊富温泉での湯治体験
実際に豊富温泉で湯治を体験した方の多くは、以下のような効果を実感しています。
- 肌のかゆみが軽減した
- 肌がすべすべになった
- ぐっすり眠れるようになった
- 心身ともにリラックスできた
湯治の効果を高めるためには、以下の点に注意することが重要です。
- 1日に数回、短時間の入浴を繰り返す
- 湯上り後は、保湿剤などで肌をしっかりと保湿する
- 十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がける
- 数日間から数週間滞在して、ゆっくり温泉に入る。
豊富温泉の温泉街
豊富温泉の温泉街は、昔ながらの湯治場の雰囲気を残しており、以下のような施設があります。
- 豊富温泉ふれあいセンター
- 豊富温泉町営宿泊施設
- 豊富温泉ガイドステーション
- その他宿泊施設
豊富温泉ふれあいセンターには、内風呂と露天風呂があり、日帰り入浴も可能です。豊富温泉町営宿泊施設は、自炊棟と宿泊棟があり、長期滞在にも適しています。

豊富温泉へのアクセス
豊富温泉へは、以下の方法でアクセスできます。
- JR:JR豊富駅からバスで約15分
- 車:道央自動車道士別剣淵ICから約1時間30分
豊富温泉周辺の観光スポット
豊富温泉周辺には、以下のような観光スポットがあります。
- サロベツ原野:広大な湿原に、四季折々の美しい景色が広がる
- サロベツ湿原センター:サロベツ原野の自然や歴史について学べる
- 豊富町郷土資料館:豊富町の歴史や文化について学べる
- 稚咲内原生花園:時期になると、たくさんの花を見ることができる。
- 稚内市:日本最北端の市であり、多くの観光スポットがある。
豊富温泉の宿泊施設
豊富温泉には、様々なタイプの宿泊施設があります。
- 湯治宿:自炊可能な湯治宿から旅館まで、様々なタイプの湯治宿があります。
- ホテル・旅館:温泉街には、ホテルや旅館もあります。
- 町営宿泊施設:豊富温泉町営宿泊施設は、自炊棟と宿泊棟があり、長期滞在にも適しています。

豊富温泉のグルメ
豊富温泉周辺では、以下のようなグルメを楽しめます。
- 豊富牛乳:濃厚でコクのある豊富牛乳は、地元で人気です。
- 豊富温泉豆腐:豊富温泉の温泉水で作られた豆腐は、まろやかな味わいです。
- 豊富温泉で採れた野菜:豊富な大地の恵みで育った野菜。
- 豊富町周辺の海産物:新鮮な海産物も楽しめます。
〜最長片道切符の旅1日目〜 旅の記録in豊富温泉
14:20 豊富駅を出発(レンタサイクル)
サロベツ湿原センターで自転車を借り、豊富駅まで漕いできました。駅でしばらく休憩し、ここから豊富温泉の方向へさらに進みます。

15:00 宿泊場所・ウカスイモシリに到着
この日泊まるのは豊富温泉で湯治をする人が泊まる湯治宿「ウカスイモシリ」です。宿泊代は4807円でした。ナンバーキー式で無人の宿泊施設ですが、中はとても綺麗でした。ここでいったん荷物をおきます。レンタル自転車の時間があと1時間半ほど残っていたので豊富温泉の周辺を巡ってみようと思います。
15:10 近くの観光案内所へ行く
とはいえ、豊富温泉までの道のりを鑑みるに巡る場所は思い当たりません。観光案内所で「おすすめのスポットはありますか?」と聞き、大規模草地を案内してもらったので行くことにしました。「電動じゃないと大変だよ」と助言を受けましたが、「がんばります!」といって出発しました。
15:15 大規模草地周辺をサイクリング
起伏を何度も超え、大規模草地牧場に辿り着きました。草を食べる牛たちや牧草ロールなど、欧米のような景色が遠くまで広がっています。なだらかな丘陵地帯に約1500頭の乳牛が放牧されているそうです。ここは豊富町が管理する公共牧場で、畜産農家が飼養している牛を一定期間預かり管理しています。こうすることで畜産農家の負担を減らそうという取り組みなのです。

16:15 観光案内所に到着
観光案内所に戻って、自転車を返します。「どうだった?」と聞かれたので「とにかく広かったです!」とお答えしました。
16:20 ウカスイモシリで休憩
大規模草地までの道のりが想像以上にアップダウンが激しかったこともあり、とても疲れました(でも、いい景色をみることができて幸せなのでOKです)。この日は湿原センターからずっと自転車で来たこともあり、半日で30キロ以上自転車を漕いでいたようです。

18:40 豊富温泉ふれあいセンターへ向かう
しばらく休憩したのち、豊富温泉ふれあいセンターへ向かいます。ここでは豊富温泉を日帰りで楽しむことができます。宿泊場所にはお風呂がないのでここで入ることにします。
さすが石油成分を含んだ温泉、扉を開けた途端、石油っぽい匂いが漂います。
上がった時には肌がすべすべになっていました。
19:30 ふれあいセンターで鹿肉ジンギスカンを食べる
このふれあいセンターには食堂が併設されています。風呂に入る前から何やら賑やかで楽しそうな様子が伝わってきました。私はここでエゾシカのジンギスカン(990円)を食べました。これまでシカを食べたことがなかったので少し心配でしたが、とても美味しく食べられました。近年北海道ではエゾシカが増えすぎて鉄道にぶつかったり、森を荒らしたりといった被害が出ているようです。ただ駆除するのではなくこのような形で美味しく食べられるのはいいですね。ちなみに羊肉のジンギスカンも販売されていました。

20:30 ウカスイモシリに帰る、就寝
次の日は豊富駅を7:18に発車する特急サロベツ2号に乗る予定です。豊富駅までは徒歩90分の長い道のりなので明日は早く起きなければなりません。
次の日に備えてスマートフォンとモバイルバッテリー、ポケットWi-Fi、パソコンの充電ケーブルをセットし、寝ます。
まとめ
豊富温泉は、アトピー性皮膚炎への効果が期待できる貴重な温泉であり、豊かな自然と静かな環境は、心身ともに癒しを求める人々にとって理想的な場所です。ぜひ一度、豊富温泉を訪れて、その魅力を体感してください。